当院での取り組み

ロタワクチンはお子さんの健康と命を守るために必要なワクチンです
当院ではロタワクチンを受けやすくするため取り組みを行っています

・経済的負担の軽いロタテック（１回8900円×３回服用)を採用
・ワクチン開始時期に合わせて、ロタワクチンを含む予定表をお渡しします
・開始が遅れて３回服用できない場合にも１回２回でも接種を勧めています
・ロタリクス接種を希望される場合も対応しています

ワクチン接種のスケジュールについては医師・スタッフにご相談ください

院長の経験から

こどもが３歳頃にロタウイルスの嘔吐下痢症になりました
ひどいみず下痢がとまらず、当時勤めていた大学病院に入院させてもらいました
ふっくらしていた頬もすっかり痩せこけてしまい、元に戻るまで数カ月かかりました
家族も大変でしたが、なにより病気をした本人が一番大変でかわいそうでした

離島の病院に勤めていたときは、嘔吐下痢のお子さんのけいれんが止まるまで２時間以上かかったこともありました
嘔吐下痢のけいれんはとまりにくいうえに繰り返しやすく、治療している我々も大変な経験でした
ロタウイルスの感染で脳炎になり後遺症が残ったり命を落とすこともありますが、幸いなことにこのお子さんは後遺症なく元気に回復し退院できました

小児科医であればこのようなロタウイルスの嘔吐下痢症が重症化するエピソードは何度も経験があり、自分の子どもや孫には確実に接種しているワクチンです

ロタウイルス胃腸炎はどんな病気

ロタウイルスが原因の嘔吐下痢症です
水分を飲むたびに吐いてしまったり、おむつから漏れるような大量の下痢が続きます
ほぼすべての子どもが何回もかかります
集団保育では寒くなると毎年のように流行します

脱水が急に進行し、入院になることも少なくありません
脳炎、脳症、けいれんが続いたり、腎障害で命にかかわったり、後遺症が残ることもあります

症状が治まるまで1週間ほどかかり、幼稚園・保育園もその間は休まないといけません

治療

ロタウイルスに効果のある特効薬はないため、吐き気止め、整腸剤を服用し、水分塩分糖分を補給します
ＯＳ−１、アクアライトＯＲＳ、ソリタ顆粒などが水分補給に適しています
脱水が強い場合は点滴をします

ワクチンの効果

ワクチンを飲んで免疫がつくと嘔吐下痢の発症を予防できたり、入院するような重症化を防ぐことができます
ロタワクチンには３２週までに３回服用するロタテックと、２４週までに２回服用するロタリックスがあります
二つのワクチンで効果に違いはありません

遅く始めてしまったとき

ロタワクチンは接種できる期間がロタテックが３２週まで、ロタリックスが２４週までです
途中までしか接種できなかった場合でも無駄になることはありません、まったく接種しなかった場合よりも予防効果や軽症化の効果は期待できます
接種の開始が遅れたり、体調不良などで決まった回数接種できない場合でもこの期間を超えて接種することはできません
ロタリックスを接種したお子さんにロタテックを追加で接種することもできません